中庭の階段に座って項垂れる銀髪をクシャッと撫でてニックが隣に腰を降ろした。
『クロウ…俺が悪かったよ…』
『…もうそれはいい。それより何故こんなに早く気付かれたかが気になる。』
やっぱりアイツが関係してるのか…?
ニックは申し訳なさそうに『どうする?』と右京にチラッと目を向けた。
『“ヴォイニッチ手稿”を解読される前に本を奪還する。』
『…なんだって!?』
『“題名のない本”を奪還する。それしかない。』
『でも…どうやって!?』
『それを考えてた。ひとつ確実な方法を思い付いた。』
『なんだ?』
『ルシファーを召喚するんだよ。』
『なっ!?…そんな事したらただじゃ済まないだろ!!』
右京は『そうだな』と寂しそうに笑った。
『まぁ、それは最後の手段にしたい。
少し考える。』
右京の言葉にホッと胸を撫で下ろすと、ニックはP2に行くと言って去って行った。
右京は深く溜め息ついて両手で顔を覆った。
『君…ちょっといいかい?』
顔を上げた右京の目の前に不安そうな表情をした司祭が居た。
『“題名のない本”…あれは盗まれてしまったって事でしょうか…』
『…そういうことになるかな…牧師様は不審なヤツ見なかったんですか?』
右京の問いに司祭はうーんと考え込んだ。

