ニックは自分の手元に視線を落として少し声を震わせた。
『人間よりは強いじゃないか!』
『…ニック…人間は決して弱くない。』
右京の言葉に弾かれた様にニックは顔を上げると右京を見つめた。
彼はマリア像に視線を向けたまま話し続けた。
『人間の強さを俺は知っている。…人間は弱くない。』
右京にニックは何か言いかけた時『お待たせしました』と言う司祭の事が聞こえた。
司祭は右京を見て瞳を耀かせた。
『君は…!なるほど、お知り合いでしたかぁ。』
『ええ…実はそうなんです。…牧師さま、例の本は…』
『どうぞ、こちらへ!』
司祭は右京を見てテンションが微妙に高くなった。
その様子に右京とニックは顔を見合わせる。
『実はね?昨日の夜に夢枕で神の声を聞きまして…やはり御告げだったのですね~』
嬉しそうにそう話す司祭に右京は眉を寄せた。
『…何故“神”だと?声だけなのに…』
『ちゃんと名乗ったんですよ!“新世界の神”ってね。』
なんだって…?
思わず立ち止まり言葉を失う。

