とある堕天使のモノガタリⅡ ~MIDRASH~






ニックは自分の手元に視線を落として少し声を震わせた。



『人間よりは強いじゃないか!』


『…ニック…人間は決して弱くない。』



右京の言葉に弾かれた様にニックは顔を上げると右京を見つめた。


彼はマリア像に視線を向けたまま話し続けた。



『人間の強さを俺は知っている。…人間は弱くない。』




右京にニックは何か言いかけた時『お待たせしました』と言う司祭の事が聞こえた。



司祭は右京を見て瞳を耀かせた。




『君は…!なるほど、お知り合いでしたかぁ。』


『ええ…実はそうなんです。…牧師さま、例の本は…』


『どうぞ、こちらへ!』




司祭は右京を見てテンションが微妙に高くなった。


その様子に右京とニックは顔を見合わせる。



『実はね?昨日の夜に夢枕で神の声を聞きまして…やはり御告げだったのですね~』



嬉しそうにそう話す司祭に右京は眉を寄せた。



『…何故“神”だと?声だけなのに…』


『ちゃんと名乗ったんですよ!“新世界の神”ってね。』




なんだって…?




思わず立ち止まり言葉を失う。