右京は『神だよ…』と呟いた。
『神である主に認められて初めて二対目の翼が貰えるんだ。
それがすっげー痛ぇーの!
その痛みに耐えられない天使は階級が上がらないんだ。
更に三対目の翼を得るのは主の意思だ。決して逆らう事は出来ない。
とても栄誉ある事なんだけど、流石にあの痛みは想像を絶する程だったよ。』
そう言って笑う右京をニックは見つめた。
『…そうまでして何故神に尽くすんだ?』
『違うよ、ニック。俺は神に尽くす為に苦痛に耐えたんじゃない。
…人間に尽くす為に苦痛に耐えたんだ。』
『人間に…?』
『人間ってさ~神に祈るだろ?
でもその祈りを神が聞く事はないんだ。
だってそれは天使達の仕事だからね。』
『そ…それじゃ、ここで祈りを捧げてる人間達は意味のない事をしているのか!?』
『…意味はあるんじゃないか?天使達が聞いてるから…』
ニックはマリア像に視線を戻した。
『なんで俺にそんな話を…?』
『…さっき言ったろ?“俺が居るじゃないか”って…
俺は神じゃない。天使でもない。
ただの堕天使だ…
…つまり、“役立たず”って事が言いたいワケ!』
右京は『だから買い被るな』と微笑んだ。

