足早に聖堂に向かう右京の後をニックが小走りで追いかける。
『クロウ…ちょっと待ってくれよ…』
『時間が惜しい。ニック急げよ!』
『そんなに急がなくても大丈夫だって…』
ニックのその言葉があまりにも楽観的に聞こえて、右京は足を止めニックを睨んだ。
『…ニック…』
『な…なんだよ…』
『何を根拠に“大丈夫”だと言うんだ?』
『いや…根拠なんてないけど…
こっちにはお前だって居るし、たかが同化して翼を手に入れたからって…』
そこまで言ったところで右京は『おい!』と声をを荒げた。
『俺が太刀打ち出来るなんて保証はどこにもないんだよ!勘違いするな!』
吐き捨てるようにそう言ってさっさと歩き出した右京の背中をニックは睨む。
クロウが太刀打ち出来なかったら俺たち人間には勝算がないじゃないか!
ニックは右京が理解出来なくなった。
クロウは本当に俺たちの味方なのか?
ただ単にシノブだけが大事で、彼女が危険だから手を貸しているだけじゃないだろうか…
そんな不信感を募らせながら遅れて右京の後を追った。

