潤が少し怒っている様にも思える。
忍はただ黙ってそれを見つめた。
「右京様が大丈夫と言うのは本当に大丈夫だからでしょう。
主人はご存知の通り自信家ですから…。
例えそれが不安にさせない為であっても貴方が駄々をこねるのは間違いです。
貴方が右京様を心配すれば心配するほど彼は迷う。
その迷いが一番危険なんです。」
「…潤君…」
「右京様は意外と計算して行動するタイプですしね。
現に今だってこの部屋に結界を張って行ったみたいですよ。」
そう言って潤は微笑んだ。
「右京様を案ずるのであれば、貴方が無事で居る事が一番大事な事です。
だからワタクシを貴方の傍に置いているのですから…」
潤の言葉に忍は思わずポロポロと涙を流し、「ごめんなさい」と呟いた。
それが潤に向けてなのか右京に向けてなのか解らない。
「ごめんなさい」と繰り返す忍の背中を潤はただ優しく擦るだけだった。

