しかもその怪鳥は…
「…間違いない。“バジリスク”だ。」
「“バジリスク”?知ってるの?」
「ああ、彼女はウリエルの従者だ。」
忍は「“彼女”?」と眉をピクリと上げた。
「…また変なん事考えただろ…」
「…別に…」
「バジリスクはウリエルの身の回りの世話をしている。
今も黄泉の門でウリエルの代わりをしてるよ。」
「…つまり奥さんみたいな事してんのね?」
「…忍…?違うから!そうじゃなくて、ペットみたいな…」
「ペット!?」
だんだん雲行きが怪しくなり右京はちょっと焦った。
忍を抱き上げて自分の膝に座らせるとバジリスクについて説明しだした。
「怪鳥バジリスクは昔罪を犯して黄泉の門に送られて来たんだ。
その罪が大した物じゃないのにタルタロス行きでさ…あまりにも酷だから俺が…ウリエルがバジリスクを預かったんだ。」
「…なるほど…でも女の子なんでしょ?」
「まぁ…そうだけど忍が心配するような事は何もない。」
真っ直ぐ見つめてそう言うと忍はやっと表情を和らげた。
「その子、可愛い?」
「忍の方が可愛い。」
「なんで人間界には来ないの?」
「だって邪魔だろ?」
そう言うと忍はまた困った様に笑った。

