ダイニングでパスタを茹でていた忍の首筋にキスを落としてから冷蔵庫を開ける。
右京はビールを取り出しながら忍に話掛けた。
「なぁ、その本の中身って見たんだろ?何が書いてあった?」
「ん~…見たことない文字と、挿し絵が幾つか書いてあったわ。」
「どんな絵?」
「えっと…鳥とか、なんだかわからない植物とか…」
「…鳥か…」
「それも不思議な鳥の絵!」
缶ビールを煽りながら「ふ~ん」と唸る。
パスタを盛り付けた忍は「運んで」と皿を手渡した。
「…今日は邪魔入らないよな?」
「またそーゆー事言って…今日は来ないわよ。」
食事を終えるとまだ作業が残ってると忍が言い出した。
「じゃあ俺、洗っとくから仕事済ませ来いよ。」
「いい?すぐ終わるから~」
と言ってもたかが二人分の食器なので大して時間もかからない。
右京がリビングに行くと忍はまだPCに向かって作業をしていた。
それを後ろから覗き込むと忍は今日撮った写真を見せてくれた。
「ほら、さっき言ってた挿し絵よ。」
「これって…」
鷹に似てるが翼はカラスの様に真っ黒で、尾が長いその鳥は紛れもなく怪鳥だった。

