暗がりの中で忍が布団を頭まで引き上げて顔を隠したのがわかった。



「…誘ってんの?」


「…ダメ?」



右京はグイッと布団を忍から引き剥がすと真っ赤な顔で泣きそうな彼女を見つめた。



「…ごめん…めちゃくちゃ嬉しい…」



照れたような右京の顔を見て忍は静かに「抱いて」と囁いた。



腕を引かれてベットに引き込まれた右京が少し困惑気味に忍を見下ろした。



「…こんなストレートに誘われたの…初めてかも…」


「…今だけ…もう言わないから…」



ヤバい…こんなかわいい忍は珍しい…

というか元々かわいいのだが、彼女がこんなに甘えて来る事はそうそうない。


そんな忍を前にして優しく…


…なんて出来るわけない。


今までの会えなかった時間を埋めるように何度も…








…やっちまった…



グッタリする忍の髪を撫で心配そうに声を掛けた。



「忍…大丈夫?」


「…大丈夫だけど…少しは手加減して…」


「あまりにも忍が可愛いからさ…」



細い体を抱き締めて「ごめんね」と額にキスを落とした。



忍は目を閉じて微笑むと寝息を立て始めた。



長く伸びた髪を梳きながらしばらくその様子を眺める。



「愛してるよ…忍…」



右京はそう言い残してそっと部屋を後にした。