「ニコールは観点が面白いな。」


「そうなの!ほんの数ページの記事でこんなに引き込まれる物を書けるなんて、凄いよね…」


「だから惹かれたんだろ?ちょっと嫉妬する~」


そうおどけた右京に忍はクスクスと可愛く笑った。



「これはもうおしまい。疲れてんだからもう寝ろ。」


「まだ大丈夫よ。」


「ダメダメ!明日もあるんだから!」



雑誌を取り上げて忍を抱き上げると寝室のベットに寝かせた。



「右京…まだ居てくれる?」


「ん…寝るまでここに居る。」



灯りを消して忍の枕元に腰を下ろすとしばらく寝顔を眺めた。



「…右京…」


「なに?」


「…そこ寒くない?」


「大丈夫だよ。」


「…こっち来てもいいよ?」


「…それは拷問に近いな…」



さすがに何しないでいれる自信がない。


疲れてるだろう彼女を今日は寝かせてあげたかった。



「…だから…いいってば…」


「…はぁ?」


「…その…それでもいいって言うか…」


「…あのね…無理する必要ないし、そんな事したい為にここに居るんじゃない。

忍のそばに居れるだけで俺はいい…」



そう右京が言うと少し間を開けて忍は小さな声で言った。



「…私は…それじゃ不満…て言ったら?」


「…」



一瞬思考が停止して忍の言葉を理解するのに時間がかかった。