アランはこういう騒ぎに滅多に顔を出さない。
『よぉ、アラン。珍しいな…』
『君のシノブを見に寄ったんだよ。すぐ行くけどね。』
どこにと聞かなくてもP2であろう事は予想出来た。
『紹介してくれるかい?』
そう言われて右京は忍を呼んだ。
『ルームメイトのアランだよ。』
『あなたがアラン…
はじめまして!』
『会えて光栄だよ、シノブ。
こっちへは仕事だって?』
『ええ。まだ研修だけど…』
『うまくやっていけそうかい?』
『まだわからないけど…ちょっと変わった人の担当だから…』
そう答えた忍にアランはクスクス笑った。
それを探りに来たのか…
『今度時間が出来たらゆっくり聞かせて。
俺はもう行かないと…』
アランは右京に向き直ると耳元に顔を近付けた。
『クロウも早いとこ退散した方がいい。
マイク達がまた何か言い出す前にね。』
『…なるほど…』
勘の鋭いアランに言われると本当に面倒な事になりそうな気がしてくる。
アランが去って行くのを見送って右京は忍の手を握った。
「忍、出よう。」
「え!?もう?」
眉を寄せる忍に「俺もう限界」と言ってニヤリと笑った。

