とある堕天使のモノガタリⅡ ~MIDRASH~





『…これがクロウの恋人?…意外と普通ね…』



綺麗な声でトゲトゲしい言葉を発するリサに一瞬思考が停止する。


『こら、リサ!またそう言う事を…』


『なによ、率直な意見を言っただけじゃない!』

『…』



固まる忍を後ろから抱き寄せて右京がリサを睨み付けた。



『お前より忍の方が数十倍いい女だっつーの!』


『なっ…なんですって!?ちょっと、ヒューガ!何か言い返しなさいよ!』


『ああ、もう二人とも…たまには仲良くしようよ…』


『ふざけんな!願い下げだ!』


『こっちこそ冗談じゃないわ!』



オロオロする虎太郎と睨み合う二人を代わる代わる見て忍は「ねぇ」と右京の袖を引っ張った。



「私がリサちゃんを怒らせたの…?」


「まさか!忍は悪くない。全部コイツが悪い。」

『今クロウが絶対私の事貶したわ…

ヒューガ!あの男なんとかしなさいよ!』



げんなりする虎太郎に忍はちょっと同情した。



『えっと…リサ…だよね?

はじめまして!話を聞いてずっと会いたかったの。』


『…なんて聞いてるの?どうせロクな話じゃないんでしょ…』


『虎太郎くんにはもったいないくらいの美少女って…

…本当にお人形みたいに綺麗…』



そう微笑む忍にリサが顔を赤くした。