さっき自分が貰った鍵と同じ2本の鍵だった。
1つは玄関の鍵で、もう一つはプライベートルームの鍵だろう。
『あ…ありがとうございます!』
『どういたしまして。
ああ、でも玄関の鍵は俺も持ってるからね。
仕事でそっちに行く事があるだろうから。』
そう言うとニコールも立ち上がって一緒に店を出た。
店先でニコールと別れた忍はすぐに右京に電話をかけた。
「右京?お待たせ!」
「本当にお待たせだよ…
終わったぁ~?」
右京のフテ気味な声に苦笑しながら「ごめんね」と答えた。
「今どこ?」
「えっと…駅の近くの公園。」
「分かった!広場の階段で待ってて!すぐ行くから…」
そう言われて忍も急いで広場に向かった。
早く…早く…!!
気持ちがはやる。
広場に着いて辺りを見回す。
まだ来てないか…
階段に腰をかけて右京を待つ。
右京…私がわかるかしら…
一年会っていない間に髪も伸びたし…
「忍!!」
そんな事を考えていると自分を呼ぶ声が聞こえた。
「右京!!」
走って来た右京がガバッと忍に抱き付いた。
「ちょ…ちょっと…待っ…て」
ゼェゼェと息を切らせた右京がそう言って忍の肩に額をつけて呼吸を整える。

