とある堕天使のモノガタリⅡ ~MIDRASH~





綺麗に手入れがされた“ピースメーカー”はとても骨董品には見えなかった。



『これも親父さんのコレクション?』


『いや、これは俺のコレクションだ。

ちなみに売り物じゃない。』


『ガンマニアには見えなかったよ。』



そう言うとクリスは『いいものを見せてやる』と言って右京を手招きした。



隣の倉庫の隅に重ねてあるダンボールの山をずらすと床に扉が現れた。


『ここは信用した奴しか見せてない。

お前は多分信用出来る。』


そう言ってその扉を開いた。



真っ暗な地下に続くハシゴが見える。


クリスに降りるように言われ、右京は床に手を着いて降りてみた。



なんだこれは…!!



後ろから降りて来たクリスは地下室の電気を付けた。



『ここに降りたのは右京が2人目だ。』


『…すげぇ…』



そこには物凄い数のリボルバーやライフル、果ては日本刀までもが綺麗に陳列されていた。


正に武器庫である。


『ガンマニアの域を超えてるだろ…

戦争でもする気か!?』



そう言うとクリスは声を上げて笑った。



『それはお前達だろ?』


『…なんだって?』


『知ってるぜ。お前達のやってる事…

アランから聞いてるよ。』



なるほど…そういう事か…