『私が間違っているだと!?
あの醜くなった人間の霊魂が悪を呼ぶのではないか!!』
『違う!!悪を呼ぶのは人間の霊魂ではない!』
『ウリエル、君は人間界に長く居すぎたのではないか!?
以前の君はその様な事…』
『うるせぇぇ!!』
突然声を荒げたウリエルにラファエルは目を見開いた。
『黙って聞け!!
現代の世に悪が増えるのはルシファーが動き出して悪魔による悪行が活発化しているからだ!!』
“ルシファー”という名に一瞬言葉を詰まらせた。
『俺はそれを阻止する為に下界で動いてる!!』
『そっ…そんなの不可能だ!!』
『何故そう言い切れる!?』
『君ひとりで何が出来るというのだ!』
『ひとりじゃない!』
そうだ、俺はひとりじゃない!!
『人間の中にも悪魔の阻止をしようと活動している者も居る!』
『人間に何が出来る!たかが人間に!!』
確かに人間は非力だ。
だがその人間に助けられているのも事実。
『人間の結束力を舐めんじゃねー!!』
『きっ…君は人間ではないではないか!』
『俺は人間だ!!
…少なくとも下界では人間だ…』
キッパリ言い放つとウリエルは漆黒の大きな翼を一つ羽ばたくと銀髪を靡かせてラファエルを睨み付けた。

