思わず顔がにやける。


やった…!

ついに兄から解放された!


数時間後、兄が森の奥で見つかったらしい。


私にはその変わり果てた姿を見せてくれなかった。

警察が私の所に来て『お兄さんを最後に見たのはいつ?』とか、『君は昨日の夜中出掛けた?』とか色々聞いて来た。


私は『知らない』と答えた。


『お兄ちゃん…死んだの?』

『残念だけど…』

『…死んだんだ…お兄ちゃん…』


ポロポロと涙を流す私の肩を『かわいそうに』と言って抱く刑事。


涙の訳を勘違いしている。

私は涙がでるほど嬉しかったのだ。


警察のひそひそ話をこっそり立ち聞きする。


『まだ見つからないらしいな…』

『ああ、頭がないんだろ?』


…“頭がない”…


その一言で全て理解出来た。

デュラハンは私の願いを受け入れてくれたのだ!!



私もあなたの力になるわ…

あなたに似合う頭を探してあげる。




ひとりほくそ笑む自分に誰一人気付く事は無かった…