P2本部ではアラン達がモニターを黙って見つめていた。


『2人今洞窟内に入った。
シモンズともう一人は男だ。』


スピーカーから聞こえた右京の声にロイは『来た』と答えた。


モニターには男の姿と、その後ろにシモンズが見えた。


キョロキョロと辺りを見回す男…

その様子にニックはポツリと呟いた。


『なんか不自然だ…』


画面のシモンズは男にポットから何かを注いで渡してた。


自分にもそれを入れ、乾杯をしている。


『あれって…お茶?』


男はそれを飲み干したのが見えた。

シモンズもカップに口を付けた。


丁度中央辺りの床にラグを引いて二人はそこに座って何か話をしている。


『クロウ、ヒューガ…外に人影は?』

『いや、ない。まだ二人しか来ていない。』


アランはメガネを人差し指で押し上げながら考え込んだ。


この場面だけなら、ただの男女の密会のように見えるが…



アランがそう思った直後だった。


モニター内の男が突然もがきだした。


『なっ…!?もしかして、毒を盛ったのか!?』


焦るロイにダンが『違う…』と冷静に答えた。


『お茶だ…恐らくあれはアヤワスカ茶だ!』


男はやがてパタリと倒れて動かなくなった。


『クロウ!ヒューガ!』

『…大丈夫。気を失っただけだ。』


ヒューガは千里眼で様子を伺いながら答えた。