本部のモニターを睨みながら落ち着かないロイは、右京の前を何度となく通り過ぎる。
『気になる…ヒューガうまくやってるかな…』
『…俺はロイが気になって資料に集中出来ねーよ…』
昨日と同じ心理学の本からチラリと視線を外してロイを睨んだ。
『ヒューガがどうかしたのかい?』
アランはPCから顔を上げると二人に首を傾げた。
『初デートらしい。』
『初?…初なのか?』
『ん。しかも、生まれて初めての“初”だ。』
『ぷ…それは興味深い…』
思わず吹き出したアランにつられて右京も笑った。
『まるで父親の気分だ!
なんでこんなにヒューガが心配なんだ!?』
『まぁ…虎太郎がガキだからだろうな…』
ロイに素っ気なくそう答えて資料に視線を戻した。
『彼だっていざという時はちゃんとやれるさ。』
果たしてそうなのだろうか…
右京には虎太郎がまた地雷を踏んでリサを怒らせている気がしてならなかった。
『…うん、やっぱり地雷を踏んで歩いてる気がする…』
が…それが虎太郎なだけに、それはそれで楽しみだ!
…なんて言ったらアイツ怒るだろうな。
『踏んで歩いたら、爆発しまくりだな!』
肩を揺らせて笑う右京とロイに、アランは『やれやれ』と溜め息をつくのだった。

