とある堕天使のモノガタリⅡ ~MIDRASH~




『なぁ…デートってなにする?』

『はぁ!?』

『デートらしいデートってしたことない…かも…』

『お前いくつだよ!中学生かっつーの!』

『やることヤっといて、デートはしたことねーってか?』

『…最悪ね…』


みんなの視線が痛い…

どうやらこの発言も“地雷”だったらしい。


『右京はいつもどこ行ったりしてた?』

『ん~…映画みたり…買い物したり…公園でいちゃついたり?』

『公園で!?』

『…クロウも最悪ね…』

『違う!公園ではヤってねーから!』


話があらぬ方向に反れだし、矛先が自分に向いたのを感じて右京は体を起こした。


『デートなんてどこだっていいんじゃねーの?』

『そうよ。ディナーだけでも立派なデートだしね。』

『要は一緒に同じ楽しい時間を共有するのがデートだ!』


ロイの力説を聞いて『なるほど』と虎太郎は頷いた。


動きのないモニターを見ながらロイは『若いね~』と呟くのだった。


結局その日も動きはなく、翌日になると右京はひとりで鍾乳洞へ向かった。



…ちょっと虎太郎を心配しながら…