『昨日の話か?』
右京が首だけ動かして虎太郎を見た。
『どんな発言が“地雷”になる?』
『知るかよ!お前の女だろ?』
『ヒューガの女か…いい女か?』
『まぁ…それなりに…
つーか、俺の女なの?』
『違うのか?』
興味無さそうに右京は本に視線を向けたまま聞いた。
『わかんねー…気付いたら一緒に居る事が多いって感じ。』
『寝たか?』
『そりゃ…まぁ…』
『そりゃ、ヒューガの女だな。』
『ん。お前の女だと俺も思う。』
虎太郎は『そうか…』と呟いた。
『いい傾向じゃないか。
今まで特定の女が居なかったお前がおかしかったんだよ!』
『…特定の女がいないって…お前そんなにプレイボーイだったのか…』
『否定はしないけど…
相当の理由が無い限り拒みはしねーな…』
黙って聞いていたシンディは『最悪ね』と呟いた。
『そんなんだから彼女が怒るのよ。』
『…シンディに言われると説得力あるな…』
『オーバーなくらい熱く口説いてみなさい。』
『…俺が?…右京じゃあるまいし無理無理。』
『ほぉ…クロウは熱く口説くのか…』
『そんなつもりはないよ。』
右京はチラリとロイを見て手をヒラヒラと動かすと、また視線をすぐに本へと移した。

