爆笑する右京を虎太郎が不機嫌そうに睨むと「悪い悪い」と涙を拭いた。
「まさか虎太郎が…ククク…」
「だぁ~!笑うな!
俺だってらしくないって事くらい分かってんだよ!」
ふてくされた虎太郎の肩に右京は腕を回した。
「デートして来いよ。
地雷踏まないように気をつけろよ。
意外と女は執念深いからな…」
そう言ってから突然言葉を英語に切り替えて『ロイ、どうだ?』と本部のロイに話し掛けた。
右京があれこれ詮索しないでくれるのは助かるが…
…“地雷”って?
触れたらリサが爆発?…なんて馬鹿な事を考えて虎太郎はブンブンと首を振った。
『おい、手伝えよ。』
右京にそう言われて我に帰るとカメラの向きを調整し直した。
『いいよ、完璧だ。』
『了解。撤収する。』
そう言って通信を終えると鍾乳洞を後にした。
翌日は本部でぼんやりモニターとにらめっこをしていた。
右京はソファに寝転びながら、心理学の本を読みながら何かメモを取っていた。
頬杖をついてモニターを見ながら考え込んでいた虎太郎は呟いた。
『…“地雷”ってなに?』
『兵器だよ。地面に埋めて使うんだ。』
『…知ってるよ、そんなの…』
『じゃあ聞くなよ…』
椅子にだらしなく座って、機材に脚を乗せたままロイは虎太郎にそう吐き捨てた。

