数日後、P2でロイに小型の監視カメラを渡された。
『仕方ないからある程度防水性のあるものを用意したよ。』
『しばらくはこれで監視する。』
『少し楽が出来るな…』
右京はちょっとホッとした。
『だが48時間毎にバッテリーの交換には行ってもらうよ。』
『それなら俺と虎太郎交互でいいよな?』
『ああ、動きがあるまではそれで構わない。』
これで課題をやる時間が出来ると右京は胸をなで下ろした。
『寄りによってこの時期とは…』
『学生は大変だね~』
ニックは人事のようにそう言うとニヤリと笑った。
『聞いてもいいか?』
『なんだい?』
『ニックって無職?いつもP2に居るよな…』
時々2・3ヶ月空ける事もあるが、それ以外は大抵P2に居るニックに疑問をぶつける。
『それを聞くのはタブーだ。
…が、別に構わないよ。
俺は雑誌に記事を書いてるんだ。
まとめて幾つかやるから、それ以外は暇なんだ。
メンバーで一番時間の融通がきくだろうな。』
『どんな記事?って聞くのは愚問か?』
『愚問だな。』
と言ってニックはそばにあった教典を掲げた。
ニックはいいとして、一番解らないのはアランだった。

