右京と別れてリサの元に戻ると、木の上で小さくなっているリサを見つけた。
…小鳥みたいだな…
風に揺れる長い髪が時々現れる月明かりに照らされて、キラリの光って見える。
虎太郎は素直に“綺麗だ”と思った。
『リサ…』
囁くように声をかけるとリサがゆっくり顔を上げた。
『…遅い…』
『思ったより時間が掛かってね…待ちくたびれた?』
虎太郎は微笑みながら隣に腰を下ろした。
リサは黙って虎太郎に抱き付いた。
虎太郎も黙ってリサの頭を撫でた。
『帰ろ…リサ。』
『ねぇヒューガ…』
『ん?』
『私の事どう思う?』
『急にどうした?』
『私の事好き?』
『好きだよ。』
サラリと言う虎太郎にリサは不満そうな顔をした。
『それって“女”として?』
正直虎太郎にはわからなかった。
リサは可愛いし、嫌いじゃない。
子供のようにすり寄ってくる彼女を抱き締めてやりたいとも思う。
だが、それが“女”としてかと聞かれるとわからなかった。
『それは難問だな…』
『…悩むくらい難しいの?』
『ん…難しい…
俺は多分…リサが男だとしても、きっとこうやって抱き締めてやりたいと思うよ。』
その言葉にリサはちょっと目を見開いた。

