ロイの指示でカメラを取り付けられそうな箇所を探す。
『出来るだけ濡れないような所がいい。』
『無茶言うな!鍾乳洞だぜ?』
『カメラの設置できそうな箇所はあるが、水に濡れない場所は虎太郎の言う通り難しい…』
そう言うとロイは唸って『検討する』と答えた。
とりあえず、撤収命令が出たので右京と虎太郎はその場を後にする事になった。
『さすがに眠いな…』
虎太郎も右京の後ろで大きな欠伸をしていた。
インカムを外した虎太郎は「あ!」と思い出したように声を上げた。
「リサの存在を忘れてた…」
「リサ?」
「ああ、なんか来てたんだよ…」
右京はそんな虎太郎の様子に溜め息をついた。
「なんつーか…ヒドいなお前…」
「いや、右京よりは紳士的だよ…」
虎太郎は笑いながら「先に帰ってて」と片手を上げた。
右京は「ああ」と返事をしながら森を抜けた。
…あいつらってどんな仲なんだ?
「紳士的ねぇ…」
いまいち理解出来ない虎太郎の行動に首を捻ると、右京は夜空に舞い上がった。
…リサも苦労するな…
ちょっと同情しながら帰路についたのだった。

