静かに虎太郎の背後に降り立つと、肩に手を置いた。
右京に気付いた虎太郎が指を指す方向に目を凝らす。
…あんな所に横穴が…
最後の一人と思われるやつがその横穴に消えると、右京はロイに『入口を見つけた』と告げた。
『横穴がある。どうやら人工的なものじゃなさそうだ。』
『どうする?入ってみるか?』
『待て。中の見取り図もないのにそれは無謀だ。』
アランがそう言って右京達にストップをかけた。
とりあえず中の人間達が居なくなるのを待つ事にした。
1時間程でゾロゾロと人々が出て来た。
『その集団がウイッカだとしたら、恐らく13人居るはずだ。』
だが、いくら数えても12人だ。
『…変死体になった人物が13人目って事か…』
出てきた12人は性別はわからないが、何やら短い会話を交わして去って行った。
『よし、潜入してみる。』
右京の言葉で虎太郎も後に続いた。
入口は思ったより小さく、下に向かって続いているようだ。
『ここは鍾乳洞か…』
ひたひたと水の滴る音がして洞窟内はひんやりと涼しい…
『小型カメラは取り付けられないかな…』
『天然の洞窟だと難しい。
バッテリーを積んだとして48時間が限界だろう。』
48時間毎にバッテリーを交換しないといけないが、中の様子を伺うにはそれが一番最良の策だと思われた。

