その瞳は吸い込まれそうなくらい綺麗な碧で…そこに自分が映ってるのに気付いてドキッとした。


「…そんなに見つめられると照れる…」

「え?…ごめん、つい…」

「“ついキスしたくなった”?」

「…言ってないわよ、そんな事…」

「おかしいな。そんな目してたのに。」


忍は「気のせいよ」と笑ってごまかした。



しばらくすると鐘の音がし始めた。


「今年ももうすぐ終わりだな…」

「…もうすぐ…また右京の居ない日が始まるのね…」

「…忍…俺さ、やっぱり忍が居ない毎日なんて嫌だ。」


そう言う右京の横顔が綺麗で忍はつい手を伸ばしてしまった。


冷たい忍の手にちょっとびっくりしたような右京は「やっとキスしたくなった?」と微笑んだ。


このまま時間が止まればいいのに…


そんな思いを胸に秘めたまま右京の顔が近付くのを待ちながらそっと目を閉じた。



優しい右京のキスに忍は泣きそうになるのをグッとこらえた。


「右京…大好きよ…」

「ん…俺も…」


ふとシャッター音と共に光ったフラッシュに気付いて振り向くと、デジカメを構えたマイケルと目が合った。


『クロウばっかいいよなぁ…』

『…マイク邪魔…』


見つめ合う右京と忍を羨ましそうにマイクは見つめた。


『サラとさっさとくっついちゃえよ…

なんなら手貸そうか?』

『いらねーよ!

お、いい感じに撮れた。絵になるね~』


そう言ってデジカメを右京に投げた。