「昔もよく間違われてたわね~」

「ん。子供の頃はホントに嫌だったよ。」


右京達は神社へ続く階段の麓にある休憩スペースでお好み焼きを食べながら除夜の鐘が鳴るのを待った。


お好み焼きを食べたマイケル達は『これは旨い!』と絶賛した。


『マイケル、“甘酒”ってのも飲んでみる?』

『“アマザケ”ってなに?』


右京と忍が仲良くお好み焼きを食べているのを見て、セリが気を使ってみんなを連れて露店を見に行ったのが分かった。


「…やっと二人きり。」

「今日はいつも以上に賑やかよね~」


忍は微笑みながらお好み焼きを一口サイズにすると右京の前に差し出した。


子供のように頬張る右京に「美味しい?」と首を傾げた。

その仕草が可愛くて、右京は自然と頬が緩んだ。


「…忍、かわいい。」

「なによ、突然…」

「彼女がこんなに可愛くて俺幸せ。」

「ふふ…へんな右京~」

「忍は幸せ?」

「…右京と居れれば私は幸せよ…」


少し赤い顔で照れたように笑うとまたお好み焼きに視線を落とした。

右京は手を伸ばして忍の頬に触れた。


「…手を伸ばして触れる事が出来るって…幸せなんだな…」


そう呟く右京の顔が少し切なげで忍は目を反らせなかった。