右京はげんなりした顔で忍に言った。
「…間違いなくマイクだろうな…」
ため息を付きながら上半身を起こすと、忍も一緒に起きようとしたのを見て反射的に布団の中に閉じこめた。
『Hi、クロウ!清々しくいい朝だよ!』
『Hi…全然清々しくないんだけど…』
『つれないじゃないか、ハニー…』
『やめろ…寒気がする…
こんな時間から何なんだ?』
『ショッピングに行って来て欲しいってシズカに頼まれたんだ。』
『あ~…わかったよ。』
『じゃあ、待ってるから二人ともちゃんと“服”を着て来るんだぞ。』
含みのある言い方をして軽やかな足取りで出て行く友人に、右京は「余計なお世話だ」と呟いた。
ただ単に昨日は一緒に寝ただけで何もしてないのだが、マイケルは完全に誤解したようだった。
「…びっくりした…」
「忍が一緒だと知っててワザと入って来やがった…」
「え!?…何もしてないのに…」
「…そうは思わないだろうな…
いっそ事実にしちゃう?」
そう言ってからかうように忍をベットに押し付けてみると、真っ赤な顔で胸を押し返された。
右京はクスッと笑って「冗談だよ」と彼女の額にキスをして立ち上がった。
「さあ早く買い物に行ってゆっくりしよう。」
なんだかんだ言いながら楽しそう…
着替え出す右京を見ながら忍はコッソリ笑った。

