『マイケルもジェイクも優しいね~』
『当然!男は紳士的じゃないとな!』
そう言う彼らに忍は疑問を口にした。
『二人はガールフレンドとかいないの?』
『マイクは“サラ”だろ?』
『え!?…』
『意外とわかりやすい。』
ジェイクの言葉にうんうんと右京も頷くと照れくさそうに頭を掻いた。
『ジェイクは?』
『俺は全ての女性を愛してんだ…』
『…ただの女好きじゃねーか…』
呆れる右京とマイケルにジェイクは大口を開けて笑った。
『そういえば、あの歌姫はヒューガと出来てるのか!?』
『ああ、リサか。たぶんな…』
頻繁に大学の男子寮に出没していたせいで、リサはすっかり有名になっていた。
加えてあの容姿とあの歌声とあれば、噂にならない方がおかしい。
“歌姫”は右京に手ひどく振られてから虎太郎に懐いているのは一目瞭然だった。
当の虎太郎はそれを隠すでもなく、自慢するような事も無かったが、リサがあちこちで吹聴しているらしかった。
それも『ヒューガは私にベタ惚れ』だと…
だが、虎太郎はそんな様子を微塵も見せず女性に対しては誰にでも同じように接している様に見えた。
右京が虎太郎に問うと「拒む理由もない。」と言う事らしかった。
なんにせよ、虎太郎の事は虎太郎が決めればいい。
それが右京の意見だった。

