右京はそんな忍の頭を撫でて「もういいだろ」と宥めた。
マイケル達の方へ忍を促してから「あ…そういえば」と男を振り返った。
「忘れる所だった。お礼しないとな…」
座り込む男に歩み寄って、目線を合わせニッコリ笑った。
「お返し。」
右京はそう言って強烈な頭突きを食らわすと、伸びた相手にフンッと鼻を鳴らした。
「ジンヤ、後は任すな。」
「うぃっす!」
そして『帰るぞー』と何事も無かったように仲間の所に戻って行った。
『お前らってカップルって言うより、“超人タッグ”だな…』
『言えてる!』
『忍があそこまでやるとは俺も想定外だったよ…』
話が聞き取れなかったらしい忍は「なになに?」と右京達を交互に見て首を傾げた。
「忍がじゃじゃ馬だって話だよ。」
「うっ…だってあの人、女を馬鹿にしてたじゃない!?
許せないわ!」
「でもあれは無謀過ぎだよ。
腕を上げたのは認めるけど、相手をよく見てからにしろよ?」
「…分かったわよ…」
ジェイクはしょげる忍を覗き込んで笑った。
『大したもんだよ、シノブは!
見ててスカッとしたぜ!』
『そ…そお?』
『ジェイの言う通りだよ。
日本人はもっと女性を大切にするべきだと思うよ。』
マイケルもそう言うと忍はちょっと嬉しそうに微笑んだ。

