居間の師範と叔父は完全にへべれけ状態だった。

こっそりキッチンに入って洗い物をする叔母の横で冷蔵庫からコーラを取り出しグビグビと飲んだ。


「あら、戻ってたの?」

「うん。…あの二人いつまで飲み続けるんだろ…」

「どっちかが潰れるまでよ…」


はぁと溜め息をついて叔母に「手伝うよ」と言って食器を片付け始めた。


突然思い出したように「右京」と呼ばれて振り返る。


「…避妊はちゃんとしなさいよ。」


小声でそう言われて危なく食器を全部落とすところだった。


「まぁ、私は出来たら出来たでいいと思ってるけど!」


と爆弾発言をする叔母に右京は珍しく真っ赤になった。


「…そうよ…出来ちゃえばいいんじゃない?」

「叔母さん!親の台詞じゃねーって!」


慌ててそう言う右京に叔母はクスクスと笑った。

「楽しそうに何話してるの?」


キッチンに入って来た忍が聞くと「あのね、右京にね」と話し出す叔母の口を慌てて塞いだ。


「なっ…なんでもないから!!」

『…いくじなしね』


そう英語で呟かれて『勘弁してくれ』と右京も英語で返した。


その様子に忍は首を捻るのだった。




叔母の言った通り師範が先に酔いつぶれると、叔父も呂律の回らない口で何か言いながらひっくり返った。


呆れる右京達はしばらくその様子を見ていたが、とりあえず寝室に運ぶ事にした。