放っとくと暴れ出しそうな叔父と師範までもが「足りんぞ!」と言い出し、結局コンビニまでビールを買いに行かざるおえなくなった。
門を出ようとした所で追いかけて来る忍に気付いて右京は振り返った。
「待って!私も行く!」
「寒いから待ってればいいのに…」
ポケットに手を突っ込んだ右京に「こーすればあったかいから大丈夫!」と言って、忍も右京のポケットに手を突っ込んだ。
「あの二人、酔いつぶれるかもな…」
「そしたら右京が運ぶのよ?」
「ったく世話が焼けるな」
「ふふ…ホント!」
トボトボと歩きながらたわいのない会話を交わしながらコンビニに着くと、忍が手を離してしまうと右京はちょっと寂しくなった。
黙って忍からカゴを奪うと忍の手を握った。
「昔から右京ってこういう事するよね。」
「こういう事って?」
「黙って荷物持ってくれたり…」
「別に荷物を持ってやるのが目的じゃねーよ。」
そう言って繋いだ手を忍の目の前に持ち上げ「こっち!」と言うと忍は可愛らしく笑った。
ビールをカゴに入れレジへと歩きながら「そんなに好きなの?」と忍はちょっと意地悪く聞いた。
右京はレジの女の子にカゴを渡すと、忍を正面から見つめた。
「好きだよ。」
そう言うと忍だけじゃなくレジの女の子まで真っ赤になっていたが、右京は全く動じなかった。

