右京は久しぶりに帰って来た自分の部屋を懐かしそうに眺めた。
「変わってないな…」
「懐かしい?」
「うん…」
右京はバッグを下ろすとベットに腰を下ろした。
「忍…おいで。」
両手を広げて微笑む右京を見て忍はちょっと恥ずかしそうに近寄った。
忍の腰を抱きしめて下から覗く右京の頬をそっと撫でた。
「…おかえり…」
「…ただいま…」
しばらく見つめ合うと右京が忍の腕を軽く引っ張って距離を縮めた。
「…それだけ?」
「それだけって何が?」
じれったそうに右京はもう少し忍の腕を引っ張る。
「“おかえり”のキスは?」
至近距離でそう言う右京に忍は高鳴る鼓動を必死で抑えた。
「それを言うなら“ただいま”のキスは…でしょ?」
右京はもう一度小さく「ただいま」と言うと忍の首に手を回して触れるだけのキスをした。
忍は泣きそうになりながら小さく「おかえり」と言うと少し長めのキスをした。
「凄く会いたかった。」
「ん…私も会いたかったよ…」
それから二人で布団に寝転びながら色んな話をした。
イギリスの事…日本の事…友達の事…
話しても尽きる事のない話題。
右京にとっても忍にとっても楽しい時間だった。

