けど……
少しだけ、虚しくなる。
村沢を意図的に避けていたあの頃より、関係は断然いいと言える。
廊下で顔を合わせても、笑顔で挨拶したり出来る。
補習の後も、その日あったことをお互いに話したりして……すごく楽しい。
でもやっぱり、修学旅行以前の『あの関係』には戻れない。
あの頃になくて、今の自分にあるもの……『それ』が私の邪魔をする。
消えてしまえばいい。
そう思う反面、消えないで欲しいと思っている自分がいる。
村沢のことを、勉強を教えてくれる『先生』だと割り切れればいいのに……
それが出来ない。
叶わないとわかってる。
なのに……
「…どうした?秋山。」


