それからというもの、私は毎日放課後になると村沢に勉強を教えてもらっていた。
理科総合の初歩的な問題から始まって、今では理系クラスが化学や物理の授業で使う教科書とワークも特別に買わせてもらい、難しい問題にも挑戦している。
根が文系のせいか、理解に苦しむところは多い。
だけど、その度に村沢に助けてもらい、難関を乗り越えていったんだ。
『わかんなかったら立ち止まってもいい。焦らないで、ゆっくり少しずつでいいから、理解していくこと。』
村沢は、そんな風に私に声をかけてくれたこともあった。
この補習を通して、私はだんだん理系に強くなっていく自分がいること、そして…村沢の底なしの優しさを改めて感じた。
正直、毎日村沢に会えるこの補習が、今ではとても楽しみになっているんだ。


