「秋山さん!ちょっといい?」
数日後……
朝のSHRの後、私は担任に廊下に呼び出された。
「なんですか…?」
今日は一段と機嫌の良さそうな担任に少し疑問を持ちながらも、私はそう言った。
「ほら、面談の時の話。圭悟……じゃない、村沢先生に話したらさ、OKだって。早速だけど今日の放課後から、補習始めようってことになったから。」
えぇ…?
本当に急だなぁ──
ていうか先生、普段は村沢のことを『圭悟』って呼んでるんだ。
『村沢先生』と呼ぶのは、慣れてないみたい……
「わ、かりました……ありがとうございます。」
それより…
村沢、OKしたんだ。
私に勉強教えるなんて、村沢にとっては無駄に仕事増やすようなことなのに─
優しいんだね……
やっぱり。
担任にお礼を言った後、私は軽く会釈をして教室に戻った。