「はぁ………」
ある日の放課後。
私は、特進のみんなと多目的室で口頭試問の勉強をしていた。
口頭試問とは……
特進の人だけがやる、あらかじめ指定されている参考書のページの内容を覚え、それから先生の質問に答えるもの。
ちなみに…
科目は英語。
今年から特進に入った私は、慣れない口頭試問に悪戦苦闘中──
「あ〜…もう全然覚えられない!」
「頑張れ、秋山ちゃん!」
瑞穂はそう言いながら、余裕の笑みを見せる。
「じゃ、私一回先生のとこ行ってくるから!」
合格はしないと言って教室を出た瑞穂だけど、あの子は多分合格してくる。
そして、いつもどんな質問が出たか、後で私やみんなに教えてくれるんだ。
「…疲れたね〜」
「ちょっと休憩!後は……瑞穂待ちだね。」
みんなもそんな瑞穂の情報を頼りにしている。
私も……
そろそろ休憩するか。
「お前ら、何やってんの?」