そう思いながら席についた時、ちょうどチャイムが鳴った。



「あれ〜?そう言えば、今日は先生来てないね。」



私の後ろの席に座る瑞穂が、私の背中をつついて言った。



神野先生は、いつもチャイムが鳴る前には教室にいて、すぐ授業を始める人だ。



なのに……
今日はまだ来ない。



遅れてるのかな?



でも、他のみんなは特に気にすることもなく、先生が来ないならと近くの人たちと喋り出した。



私もそんな雰囲気に流され、しばらく瑞穂と喋っていた。



と、その時……!



「……お前ら、うるさいぞ。」



誰かの声がして、みんながほぼ一斉に教室のドアの方を見る。



そこには……
神野先生ではなく、不機嫌そうな顔をした村沢が立っていた。



手には…
出席簿と教科書を持っている。



まさか………