どうして……
こんな時に来るの?



「……今は、冬だよ。」



泣きそうになっていたその時、私の後ろに立ったのは…毎度おなじみの村沢だった。



「しかも私……まだ、花粉症なってないし。」



早くどっか行ってよ…



私はそう思いながら、村沢に言葉を返した。



「そっか……ま、考えてみりゃそうだな。季節、無視してた。」



まさかとは思うけど…



村沢は、私のこと……慰めようとしてるの…?



下手な冗談、わざと言って─



「…秋山、寂しいか?」



「え……?」



私の後ろにいた村沢は、私の隣まで来てそう言った。



「いや…お前さ、旅行委員の仕事頑張ってただろ?だから…今日レク終わって、寂しいのかなってさ……」



なんでわかるの……?



「図星…か。」



私の顔を見てそう言うと、村沢は私の頭の上に手を置いた。



なに…?



「泣きたいなら、泣いてもいいんだぞ?…我慢するな。」