確か…
「あ…そうそう!村沢ね、最近彼女と別れたっていうから慰めてあげてたの。本当にそれだけ!!」
そんな話をしたのは事実だけど、慰めたのは嘘。
だって、村沢…
『俺から振ってやった』って、笑ってそう言ってたもん─
多分、みんなに見られていたのはその場面だ。
私も村沢につられて笑っちゃってたし……
「な〜んだ。それならそうと早く言ってよ〜」
「でも、そんな圭悟先生を慰めるくらい、秋山ちゃんは圭悟先生と仲良くなっちゃったんだ〜?」
また…
「そんなことないよ!」
なんで私が村沢と仲良くならなきゃいけない訳?
でも…
もう授業放棄したり、あからさまに『嫌い』と言ったりはしなくなった。
私にとっては大きな進歩だ。


