「ちょっとトイレ行ってきま〜す。」
作業も一段落した頃、私はみんなにそう言って席を立った。
「はぁ……」
廊下を歩きながら、私は意味もなくため息をついた。
なんなんだろ…
よくわからないこの気持ち。
こんなの…
今までなかったのに─
「…あれ?」
トイレからの帰り道。
さっきここを通った時は点いていなかった明かりが、今は点いている。
しかもそこは…
旅行委員のみんながいる教室の2つ隣の多目的室だった。
誰か…いるのかな?
気になった私は、多目的室のドアをそっと開けた。
「……!!」
そこにはなんと…
村沢がいた。
私が見てることには気付いていない様子で、1人黒板の前に立っている村沢は、チョークを手に持ち、何かを書いていた。
あれは…
化学式、かな?