少し待つと…
担任の代わりに、村沢が私の前に現れた。



「ごめん、秋山。呼んだのは俺なのに……」



「別にいいよ。それより、一体何の用事?」



私が聞くと、村沢は思い出したかのように手を叩き、私を自分の机のところまで連れてきた。



「あのさ…これ、お前のだろ?」



そう言って、机の引き出しの中から出したものは…



私の、シャーペンだった─



「え…なんで、これが…」



「昨日、お前らが帰った後に、机の下に落ちてた。最初は誰のかわかんなかったけど……確か、これをお前がテストの時に使ってたな〜ってこと、思い出して…」



やっぱりお前のか。



そう言うと、村沢は笑顔で私にシャーペンを渡してきた。



「なんで…私のだって、私がこれをテストで使ってたこと…」



覚えてんの?