…………



私は村沢のそんな言葉に、何も答えられなかった。



「えっ…?どうした、秋山?」



「…別に。ただ…、」



「お待たせ〜!!…あれ?なに?この空気……」



村沢に何か言葉を返そうと思ったその時、夢芽が教室に戻って来てしまった。



私は慌てて口を閉じる。



「美咲…どうしたの?」



夢芽は何かを感じ取ったようで、私の側に来て、肩に手を回す。



「いや…なんでもない。夢芽、もう帰ろ?なんか私…疲れた。」



「えっ…ちょっ、美咲!?」



驚く夢芽の腕を引っ張り、私はカバンを持って教室から出た。



村沢とは…
目も合わさずに。







『……お前にそんなこと言っても、聞くはずないだろ?』



村沢のその言葉が─



いつまでも耳に残っていた。