だってさぁ…
村沢、カッコいいし。
性格はちょっと問題だけど、そんなの黙って立ってたらわかんないし─
「俺は……お前だけだ!!」
急にそんな恥ずかしいセリフを叫んで、村沢は不安に思う私を抱きしめた。
フワッと香る、優しい感じがする石鹸の匂い。
気持ち良くて…
私はそっと目を閉じる。
「離したくねぇ……」
村沢──
「うん、離さないで…」
こうやって普通に気軽に会える時間は、もう残り少ない。
新しい生活を始めたら、お互いきっと、大変になるだろうと思うし…
だからせめて…
今は、ここにいたい。
「美咲……愛してる。」
…愛しい人の側に。


