私…モテないよ?



村沢はよく『可愛い』って言ってくれるけど、全然そんなことないし…



「別にいいじゃねぇか…お前が行くのは理系大学だぞ?どう見たって男の方が多いし……だから…」



「うん、わかった。」



村沢の気持ち…
ちゃんとわかってる。



十分すぎるくらい…
届いてるよ。



「…ありがとう。」



大好き……



「絶対外すなよ。あ……あと、まだあるんだ。」



え…?
まだあるの?



「これ…ペアだから。はい。俺の、お前がつけろ。」



見ると、さっきの箱にはもう1つ指輪が入っていた。



村沢はそう言って私に向かって左手を差し出した後、全然違う方を向いた。



もう…
照れ屋なんだから─



そんな村沢を見てもう一度笑って、私はさっきされたように村沢の薬指に指輪をはめた。



「…はい、これで大丈夫。村沢も、浮気しないでよ?」



「はぁ!?う、浮気だと、バカ野郎!!誰がそんなことするかよ…」



すごい反応……