「美咲、目…閉じろ。」
は……?
「なんで…?」
「いいから。…早く閉じろって言ってんだろ!」
また何の説明もなし…?
よくわからないまま、私はとりあえず村沢の指示に従い、目を閉じた。
「……っ!?」
真っ暗で何も見えない中、村沢が私の左手を取る。
そして、その後すぐに何か…冷たい感触がした。
「はい、もういいよ。」
「…え??」
村沢の声を合図に目を開けると、そこには目を疑うような光景が──
私の左手薬指に…
綺麗に輝く指輪がはめられてあったのだ。
びっくりしちゃって…
声も出ない。
「それは…魔除けだ。」
ま、魔除け…?
「向こう行っても、美咲につまんねぇ男が寄って来ないように。いいか?これから毎日つけろよ。」
な〜んだ…
村沢、そんなくだらない心配してたんだ。
私はもらったばかりの指輪を見ながら、思わず笑ってしまった。
「わ、笑うなよ……」
「だって…おかしいもん。」


