「あ…!美咲、ごめん。俺、ちょっと出てくるわ。」
なんとなくぎこちない空気が漂う中、村沢は突然思い出したかのように言った。
「え……?」
こんな時間に?
…何しに行くの?
「すぐ戻るから!!」
疑問でいっぱいの私を残し、村沢は本当に家を出て行ってしまった。
もう…
勝手なんだから──
せめて…
理由くらい教えてよ。
「……バーカ。」
1人そう呟いて、私は料理を完成させた。
「ただいま!」
30分くらい経ってからかな…?村沢は帰って来た。
「…おかえり。」
「うわぁ……なんか久しぶりだな。待っててくれる人がいるって。」
村沢、嬉しそう…
でも…私は気になる。
外行って…
何やってたの?
見る限り、何かを買いに行ったとか、そんなことではないことがわかる。
「腹減った〜」
そんな私の気持ちには全く気付いていない村沢は、何をしに行ってたのか、私に説明をすることもしない。
気になるけど…
私は聞けなかった。
「ご飯…出来てるよ。」
だから…
どうでもいいようなふりをした。


