今日は…卒業式だった。



俺が教師になって、初めて入学から卒業まで見届けた大事な生徒たちの卒業式。



正直、送り出したくなかった。



何故なら…
その大事な生徒たちの中に、俺の心を奪って行った奴がいるからだ。



そいつの名前は…
秋山 美咲



本当に生意気な奴で、初めて俺に面と向かって『嫌いだ』と言った生徒だ。



その言葉を聞いて、俺はあいつから俺のことを『好きだ』と言わせたいと思った。



始めは……
『先生』として。



でも、一緒に過ごすうちに、だんだんとあいつに惹かれていったんだ。



いけないとわかっていながら…



そして今日…
俺はあいつに想いを伝えた。



『大好きだ』と、一番言いたかったことを言った。



そしたらあいつは…
泣きながら『私も好き』と言ってくれた。



嬉しかった。



俺の想いは…
あいつに届いたんだ─