“はじめて会った時から…
 さゆが――… 好きだよ。”


“とおる、くん………”






ちらちらと雪が降り積もる中
校舎の屋上でしっかりと抱き合い、口付けを交わす2人。


暗闇と白い雪、遠く瞬く夜景のコントラストが、美しい。







―――… 



「あーーーー!!やっと!やっと言ったか、トオル!!きゃーーー!!長かったーーー!!」



12月25日、土曜日の夜。

テレビ画面では、この秋から行方を見守ってきた青春ドラマの最終回が放送されていた。



元々、主演の俳優目当てで見始めたんだけど。


好きになったのが、
毎日顔を合わせる「大学の友達」で、
でも同時に「親友の彼女」でもある、っていう

なんとも切ない設定で。



その、ヒロインの「さゆり」ちゃんも、次第に「トオル」が気になっていくのに俺様な彼氏に遠慮してて。

お互い気になってるのに、あくまで「友達」としての一線を超えないように気を遣い合う2人にヤキモキさせられっぱなしで。




前回、その彼氏とさゆりの決定的な決裂があったから、さぁ、ここでトオルはどう出る!?って感じで、最終回の今日は見逃せなかったんだ。






――… せめて、ドラマの世界くらいは、うまく行って欲しいじゃない。