「… 元気、出してください。」
ふんわり
ほんとうに、優しく。
あたしを包んでくれたシュンくんの腕は、まるで羽根みたいな微かな感触だった。
続いて降りてきた、触れるだけの優しいキスを
避けようと思えば避けられたのに
あたしは、そうしなかった。
―… 目を閉じてしまったのは、どうして?
「俺… サラさんのこと好きです。年下だし、頼りないけど…… 好きな気持ちだけは誰にも負けません!」
赤くなってそうまくし立てて
シュンくんは、ブースを去っていった。
ドーナッツとカフェオレと、甘い余韻を残して。
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