S・S・S






「シュンくん、…だったんだね。」



なんとなく、わかっていたけど。

それでも改めてこうして向き合うと、これまでとは違った感情が湧いてくる。




「ん? …えっと、サラさん、あまりにも元気なかったんで。仕事中、ちょっと抜け出してきました。はい、ドーナッツとカフェオレ。温かいうちにどうぞ。」






―――…あたし、どうしたんだろう。



思わず 手を伸ばして、触れたくなってしまう。




これは、どんなマジック?

その三角帽子、さてはシュンくん、魔法使いなの?



カフェオレの白い湯気越しに
シュンくんの笑顔がぼやける。




「―――… サラさん?」


「ごめん、シュンくん、あたし今おかしいからっ…気にしないで…」



気づいたら
途切れていたはずの涙が、勝手に目から溢れていた。




トウマの一言が、冷たすぎて。

シュンくんの気遣いが、温かすぎて。


ぐちゃぐちゃの頭は、これ以上なにかを考えることを拒否して、停止していた。